紀一を殴ると、タイミング良く阿波と医者が来た。



「遅い。組長を苦しませて…」



「2階にいるんだな?矢高、頼んだぞ」



俺を無視して、阿波は矢高という医者に言った。


神経質そうな男だな。

俺は、2階にその医者を連れていって組長を診てもらった。



「少し喉が赤くなっていますね。風邪薬出しておきます。あと、部屋を暖かくしてくださいね。空気の入れ換えも大事ですから」



淡々と言われて、正直引いた。

目を合わせるってのはいいことだ。


だけどな…近いんだよ!


顔が近い!



「…何だよ」



「いえ…」



顔赤くするな、腕触るな、近づくなー!!