「何か冷たいの飲みましょう」



ペットボトルに入ったオレンジジュースを取り出して、コップに注いだ。


組長を少しだけ起き上がらせて、渡した。


タオルで汗を拭いて、毛布をかけた。



「ごめんなさい…こんな楽しい元旦に…」



「いいえ。紀一ひとりが勝手にはしゃいでいただけですから」



阿波のやつ、いつになったら医者が来るんだ。


あと5分、待ってやる。



苦しそうな組長をベッドに運んで、部屋を暖かくした。



「もうすぐ、医者来ますんで」



そう言うと微笑んで、俺の手をギュッと握った。


…落ち着け、俺。


ドキドキとするのはきっと、あれだ。

思春期みたいなもんだ。