星に願い、満月に微笑み、俺は紀一と酒を飲むことにした。



酒が入ったコップを紀一から受け取って、一気に飲んだ。



「なぁ、慶」



「何だ」



「俺ね、空ちゃんが高校卒業したらぁ…結婚するわ!」



…おい、酔っ払い。
口だけだろ、どうせ。


タバコを吸おうと、窓を開けようとすると、紀一が俺の腕をつかんだ。



「マジ」



マジかよ!!
え、嘘だろ!?


酒をまたぐっと飲んで、俺を見てきた。

真剣な顔をして、ポケットから紙を取り出した。



「んだよ、これ…」



「よぉく、見てごらん」



……婚姻届。



「空の名前も書いてある…」



離婚届も用意しとけっ。