「仕事と私、どっちが大事なのよ!」



「仕事。仕事と組長って聞かれたら、組長」



いつまでも騒がしい紀一の口に甘酒を飲ませた。

酔っ払いが。


組長がウトウトとし始めて、眠っていいと言うとコテンと眠り込んだ。


眠り姫だな…。


抱き上げて、組長の寝室へ向かう。



組長は、家族もいないし、ここが楽しいみたいだから、一緒に住んでいる。


紀一は、絶対…一生ここに住み続けるつもりだ!



「おやすみなさい…組長」



頭を撫でて、寝室を出た。

どんよりとした空気から出たくて、ベランダに向かった。



新たな年が始まる。


去年は何だか、悲しいことばっかあったな。

嬉しいこともあったな。