組に戻れば、千波は寝ていた。


静かに中に入って、イスに座った。
美紀も、俺の近くのイスに座った。



「千波、毎日来てるんですか?」



「いや、たまにだ」



嘘をつくしかない。
千波だって、起きていれば俺にそう言うだろう。



「笹河さん…」



「どうし…」



目の前に、美紀の顔があって。

唇に柔らかいのがくっついていて。



動けない俺。

深くまで味わおうとする美紀。



「きゃっ!」




俺は美紀を突き飛ばした。