阿波辰五郎。
新宿にいるのか…。


バイクに乗ってそいつのとこに向かった。

あぁ、頭が痛い。


家に帰ったら頭痛薬飲まないとな。

まぁ、無事に帰れたらの話だけどよ。



『ごめんなさい…』



帰ったら1番に会いたかったのに。

そんで抱きしめて眠りたかったのに。



『もう!』



『耳鼻科行けって言ったんです』



『悪魔ァァァ』



『好き…』



『笹河さん!』



あぁ。

やっぱり後悔してる。


胸の奥で、お前を想う気持ちを押し込んだ。


そうしなきゃ、今お前に会いに行きたくなる。


『笹河さん』


また、ひょっこりと現れる気がしたんだ。

けど、お前はもういない。


もう、振り返ってもいなかったんだ。