蒼空が出ていった後、何もかもなくなったような気がした。


からっぽになった。



「慶、それでよかったの?」



紀一が悲しそうにしながら、俺の肩を叩いた。



「おう」



「本当に……それでいいんですか」



組長、俺はヤクザの前に男です。

男に二言はねぇんだ。



さてと、やることあったなぁ。



「盗聴器の件、片付けに行かなきゃな」



組長は紀一に任せよう。

組長一人になんてできないしな。



「場所…これに書いてあるから」



「調べ終わったのか?」



「あぁ。で、犯人のも書いてあるから」



俺は、紙を受け取って、その場所に向かった。


片付けたら、紀一と酒を飲みまくろう。