顔を真っ赤にして、怒る。
もう何度も見てるからな。


「チッ」


「何、殴られたいって?」


「耳鼻科行けって言ってるんですよ」



またチッと舌打ちをして、ごちそうさまと言ってキッチンに向かった。



「慶、イジメすぎだろー」



「可愛がってやったんだよ」



お茶を飲みながら答えた。

好きだからだよ。

こんな風にからかいたくなる。


…なんて、言えるわけもなく。


相変わらず、俺達は素直じゃない。

だから、疑う。


不安にさせるのも、不安になるのも、すべてを話せずにいるから。


…今、俺は少し不安だ。


怒らせすぎたかもしれないからだ。


泣いたりしていないか、不安になる。