「何、感じてんの?」


「ち、ちっがう!」


「じゃ、指噛むなよ」



蒼空の両手を左手で押さえて、続きをする。



鳴く、鳴く、鳴く。



愛おしいと思う。

俺がそっとキスをすれば、真っ赤な顔して見つめてくる。


あぁ、俺、溺れすぎ。


蒼空のすべてを奪ってしまおうと思う俺がいて。


何とか抑えている小さな俺がいる。


いつか俺は壊すだろう。


「も…う、ダメ。ばれちゃう…」



「じゃあ、いつ?」



「………ふ、ふたりきりの時」



無理、無理。

ふたりきりになれば、きっと抑えられなくなる。


お前を泣かせてしまう。