「へぇ」



「でさ、別れるとき言ったの『好きな人できた』って。そしたら…」



「『ありがとう。幸せな時間をくれて』…か?」



「え!何でわかったの!?」



「俺ならそう言う」



仕事が少ない今日。

こいつの愚痴やノロケも聞くのも仕事…か?



「で、好きな男に告ったのか?」



「うん。でも、ダメだった…」



悲しそうに笑った。
俺は千波の頭を撫でた。


大人っぽいとこがあるから、何も心配することはないと思ってた。

でも、やっぱ違うんだよな。


まだ子供だ。



まだ何も知らない子供。