俺は変わろう。
あいつが変わったように。


蒼空が、新しい誰かと手を繋いで俺の前にやってきても。

ちゃんと笑えるように。



「なぁ」



俺は目の前にいる千波に話しかけた。



「んー?」



「俺の長所って何?」



「馬鹿なとこ」



即答するのか。
もう少し考えろ。


カッコイイとか、優しいとか…何かあるだろ?



「いきなり何なの?」



毎日、組に来てコーヒーを飲む千波。


俺を睨むのやめろ。



「そんなことより、あたしさぁ、彼氏と別れた」



「何で?」



「…新しい人好きになったから?」



ズキリと痛む、俺の心臓。

まだ変われないのか。