俺は言おうとしていたことを言えず、近くで遊んでいる子供を見ていた。


「でもね、もういいんです!」


笑顔で俺の背中を叩いた。
本当に吹っ切れたような感じで。


「笹河さん、私ねっ、笹河さんよりいい人見つけましたから!」


……マジか。


え?マジ?


「…ど、どんなやつ?」



「優しくて、おもしろい人なんです。えっと……確か、紀一さんだったかな」


ま、待て、待て!

紀一!?


あ、あいつ!?



「教師になるそうです」



ニコリと笑って、話してくれる空。


え、マジ?