「俺…会ってくる」


嫌われたくなくて、今までズルズルと引っ張っていたんだ。


「頑張れ、笹河さん」


蒼空はニコッと笑って言った。


「二股したら、許さないから」


睨みながら俺の背中を叩いた。



「おうっ」



空にメールをした。

『今、会えるか?』

すぐに返事がきた。

『はい』


場所を決めて、急いで向かった。

俺は、冷静で熱くなることを面倒に思う男だった。


でも、色んな人間と関わってみると、熱くなるのも悪くないと思えた。


冷静でいることができなくなった。



……もし。


もしも、俺が。



空を選んでいたら…。



きっと揺れて、揺れて。



蒼空を選ぶだろう。