あー。
寒い。

風、強いし。外に出たくねぇな。

でも、タバコねぇし。



｢蒼空、買い物したくないか？｣



｢嫌です、ダメです、無理です｣



｢動かないと太るぞ｣



｢買い物に行ったとしても、タバコは買いませんから｣


残念でしたね、というような顔で見てきた。

…タバコ、タバコ、タバコ…。



｢このタバコ野郎！｣


｢人の心読むなよ｣


｢このダメタバコ！笹河さん、これからダメタバコって呼ぶんで！｣


｢いや、そんなダサいのは嫌だ｣


ソファーに寝転んでいる蒼空の背中にマグカップを置いた。

コーヒー入ってるから、気をつけろよ？



｢あ、あ、熱いっ！｣


｢動くとやけどするぞ｣


ドＳだ、悪魔だ、言われても笑顔でそれを見守っていた。