「あたし、これ食べたら帰るね。蒼空、頑張ってね」


「う、うん」



何を頑張るんだ?

蒼空の頬が若干赤い気がする。

まぁ、いいか。


5分くらいで、千波が食べ終わると急いで帰っていった。

残された俺と蒼空は、無言。


コーヒーをゆっくりと飲みながら、何を話そうか考えた。

蒼空も、ゆっくりと食べている…。



「…蒼空」



「うぁいっ!」



「…その、返事だけどな…」


「あああ、も、もうちょっと考えていてください!」


え?

俯いてしまった蒼空は、それ以上、何も言わなかった。


俺も何も言えなくて。