龍平には、ブルーシートがかけられていた。

そっとめくると、微笑みながら死んだのがわかる。


「千波、蒼空。俺、探してくる」


「気をつけてっ」


「笹河さん…」


蒼空は、俺の腕を引っ張って耳元で囁いた。





「好き」





その言葉に揺れる。

驚いて、蒼空を見ると、早く行けと言うように俺の背中を押した。



俺は、何も考えられなくなりながらも、走った。

そして、車を借りてゴリ男を探しに行った。



カッコつけやがった、あのハゲダコに一発くらい殴らせてもらおう。


馬鹿なゴリラもいたもんだ。