組に着くまで、抱き合っていた。

こんなことしていいのか。
こんなことで、蒼空を傷つけるんじゃないのか。


「笹河さん!」



千波が俺達に気づくと、急いで走ってきた。

千波に引っ張られながら、組の中に入ると15人くらい警察がいた。


「…亡くなられた方のお知り合いですか?」


「昔の友人です…」


「最近、会いましたか?」


「ええ…一度だけ」


「何か言ってませんでしたか?」


「…結婚するんですよ、あいつ」


「は?」


あの世であいつは、結婚するよ。

そうだと思いたい。