「し、死んだって…?」



「昔の知り合い。ほら、こんなとこにいると警察が来る」



俺達はすぐに車に乗り込んだ。

警察に疑われないように、指紋も拭いた。
蒼空の落ちた髪の毛も捨てた。



「…笹河さん、助けに来てくれたんですか?」


「仕方ないからな」


「本当に素直じゃないんだから。あたしのこと、心配で心配で……って、痛いっ!」


頬をつねってやった。

そうだよ。心配だったんだよ。


素直に言えないのは、お前が調子に乗るとわかっているからだ。


「鬼っ、悪魔ァァ!」



「まだつねられたいのか?わかった、今度は爪立ててやってやる」


「ご、ごめんなさい!」



何だか、懐かしい。

こんな風に馬鹿やるなんて。