蒼空の香水の香りが、まだ残っていた。


「蒼空、帰ってるの?」



千波に話さなかったのか?

驚きを隠せない千波の後ろの扉に影があった。



…龍平?



俺は無言で、千波を引き寄せて、テーブルの下に隠した。

そして、隠しておいた拳銃をそっと取り出した。


「…お邪魔しまーす」


扉が開くと、やはり龍平で。

でも、何かが違う。
この前の龍平と…。


「ちゃんと撃てるように…」


…ジャンキーかよ…。


腕には無数の注射の痕。