結局、俺は弱いんだ。

何故か笑いが堪えられなくて。


ひとり、力無く笑い続けた。


あぁ。面倒。

それでも、龍平を止めるしかない。


千波の顔も見られた。

シマを荒らすかもしれない。

不安が俺を襲う。



あぁ。ダメだ。
考えるのも嫌になる。



『笹河さん』



どこからか、蒼空の声がした気がした。

幻聴まで聞こえるのか…。



「笹河さんっ」



……まさか。まさかだ。

蒼空がいるわけ……ないよな?


「ついにボケましたか、こんちくしょー」


「………な、なっ!?」


「あのね、幽霊見たような顔しないでください」



蒼空が…目の前に。