確かにそうだよな。
こんな事してる奴の考えている事なんて俺には分からない。
ただふに落ちない・・・

コンコン

「入るぞ。」

白衣を着た親父だった。

「一体何なんだ。最近は問題も起こさず、いくらかマシになったと思っていたらこんな騒ぎを起こして。」

息子に対しての第一声がそれかよ。

「あぁ悪い。俺もよく分からないんだ・・・あれだ通り魔って奴だ。」

「傷も軽かった馬鹿息子が喧嘩をしたみたいだと済ましといた。」

「助かった。」

「明日退院でいいだろう、どうせ入院していられないだろうしな、お前は。」

「今日一日入院すんだろうーが。」

「傷は何回か見せに来いよ。」

「分かったよ、迷惑かけた。」

「珍しいなお前がそんな事言うなんて。」

「一言余計なんだよ、イライラすんな。」

「分かったよ。椎名君ありがとう。息子に付き添ってくれて。」

「いえ、俺がいながら何もできずすいませんでした。」

優は頭を下げた。

「いや謝らなくちゃいけないのはこちらの方だ、気にしないでくれ。それじゃあまた。」

親父は出て行った。
顔を合わせれば嫌味ばかり俺とは合わない。

「相変わらずだな親子関係。」

「クソ親父のせいだよ!」

「まぁ今回は助けてくれたんだしよ。」

「借りができたのがムカツク。」

「そんな怒んなって。今日は付き添いで俺が一緒に寝てやっから!」

「は?大丈夫だから家帰れって。」

「愛しの竜也君ほっていけませんよぉ~。」

「ベットもないから帰れって。」

「一個あるんだから一緒に寝ればいいじゃん!」

「無理!暑苦しい!」

「つめて~な!いいよソファーで寝るから。」

そういうと優はソファーに寝転んだ。

「じゃおやすみ~」

帰る気がないのが分かったから諦めた、言い出したらきかない奴。

「あぁおやすみ」

色々な事があったせいか、まだ麻酔が効いていたのかすぐに寝れた。
何日?何ヶ月振りの熟睡だろう。