「え…?」

「だから…辛いんだ。
会えないのも、教室で目が合わないのも…全部。」


俺はなるべく瞳を逸らさずにそう言った。
彼女はとても困惑している。



「わ…私は…。」

「先生にその気がないのは分かってる。
先生が俺を気遣ってくれるのは先生が優しいからで、先生は俺をただの生徒だと思ってることも知ってる。
でも…俺は違うんだ。
先生は…確かに俺の先生だけど…それでも…違う。」

「…。」

「別に…先生と今すぐ付き合いたいだとかそんなことを言う気はないよ。
だけど…俺の気持ちを知ってもらいたいと思って。
俺は…先生のことが好きだよ。だから…会えないのが辛い。
こうしてここで過ごす時間が…俺にとっては特別だから。」

「でも…あなたにそういう気持ちがあるんだったらこれ以上は…。」

「…俺にこういう気持ちがあると、先生が困るのは知ってる。
だから…抑えるようにするよ。
先生の迷惑だけにはなりたくないから。
変な噂が出回っているならそれもなんとかする。
だから…こうして過ごせる時間だけはほしい。
ここに来ることを拒まないでほしい。」


言いたいことはそれだけだった。
いいんだ。俺の気持ちを彼女が受け取ってくれなくたって。

でもダメなんだよ。会えなくなるのは。
それだけは…耐えられないんだ。どうしても。