それって、とポケットから何かを取り出す。

「これ?」
見るとそれは、確かに私の鍵だった。

「どこで見つけたの!?」
「さっき、公園で拾った」

とりあえず、良かった……。
何で公園にあったのかはわからないけど、これでやっと帰れる。

「ありがとう、ネコ」
「うん」


私達は、雪の降る道を、二人並んで歩いた。

不思議な、黒猫。


ネコは顔にかかる雪を振り払いながら、眠たそうにまばたきをした。