「えっ、レトルト知らないの?」
「うん」
ネコの表情を見ても、とても嘘をついているようには見えない。

そんな人、いるんだ……

不思議がる私をよそに、ネコはカレーを一口とって口に運んだ。

「熱っ!」
あ、やっぱり猫舌?

ネコはカレーに息を吹きかけ、今度は恐る恐る口に入れた。
「!」
「……どう?」

私の問いかけに、ネコは満面の笑みで答えた。

「おいしい!」
その笑顔がやっぱり可愛くて、自然と私の顔にも笑みが浮かんだ。

「南智はすごいなー!れとるとの天才だ!」
「そ、そう?ありがとう」
あまり嬉しくはない呼び方だ。