「南智ー、寒くない?こっち、おいで」
ネコは、もふもふした毛布にくるまって、私を手招きした。

「いいよ、私は」
本当は、ものすごく寒いけど。
せっかく入ることができたのに、こんな時に限って暖房の調子が悪い。
外とそんなに変わらないくらい。

せっかく見つけた毛布だけど、ネコに貸すことにした。

外にいたであろう時間が、私よりずっと長いだろうから。
その証拠に、さっき触れたネコの手は、すごくすごく冷たかった。

「南智、やっぱり寒いでしょ」
「平気だって」
「だって、肩震えてるし」
「平気!!」

すると、ネコは突然立ち上がって私の方にきた。