ちょっとまって?
頭が全然働かない…。
って、ん…?
なんだろう。
なにやら前の方から、ものすごい殺気を感じるんですけど…。
おそるおそる、視線を前へ。
すると、教壇にいる先生が、鬼のような形相でこっちを見ていた。
私からは結構離れた距離にいるというのに、ここからでも頭の血管が浮き出ているのが確認できる。
どうしよ…。
先生…明らかに怒ってるよ…。
先生と目を合わせること数秒。
先に行動を起こしたのは先生だった。
急に表情を笑顔にチェンジ。
うわ、すごい無理やりって感じなんですけど…。
逆に怖いって。
それから口を開いて一言。
「夢に逃げたくなるほど、私の授業は退屈か…?」
まさに、有無を言わせぬ迫力。
てか低いっ!!声がいつも以上に低いっ!!
「俺の授業で居眠りするとどうなるか…。わかってるよなぁ?上林美紅~?」
生徒をフルネームで呼ぶってことは…。
ヤバい、先生めちゃくちゃ怒ってる。
ていうか、この人、担任の先生…じゃないよね?
でもこの先生、どこかで見たような…。
急いで知ってる先生の顔と名前を思い浮かべる。
あ!!今年から転勤してきた、数学の畑仲先生だ!!
その畑仲先生がいるってことは…。
今ってもしかして…。
授業中ですかーーーー!?