「駄目だな、やり直し」

フンと鼻を鳴らし、天坏 凪は背を向けた。

「そんなぁ、おやっさんいいじゃないですかぁ。10秒で開錠したでしょお?」

弟子入り志願してきた若造が情けない声を上げた。

弟子なんか取らない自分が、ほんの気紛れで自分の跡継ぎを育ててみようかなんて考えて店で雇ってみたが…このタイプの鍵で10秒も手間取ってんじゃあ話にならねぇ。

「最低5秒だな。できるまでは飯抜きだ」

「ひっでぇっ!!」

嘆く若造を尻目に、天坏は薄く笑った。

「そんな事じゃあ、米軍基地は脱出できねぇなぁ」