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あれから、一年の歳月が流れていた。

とある街角。

上原 奏は交差点で、会社の先輩と共に信号待ちをしている。

会社の昼休みに昼食をとった帰りだった。

交差点を行き交う車。

一台のハンヴィーが通過していった。

「お、珍しい、軍用車だ。あんなのどんな奴が乗るのかねぇ」

好奇の目で車を見送る先輩。

「あれ大きくて乗りづらいのよねぇ…」

ふと呟く奏に、先輩が「え?」と訝しげな表情を見せた。

…会社に着くと。

「ひぃっ、す、すみません~っ」

聞き覚えのある声が聞こえた。

会社の正面受付の所で、小太り…いや、大太りの男性が書類をぶちまけているのが見えた。

「あ、上原さん」

受付嬢が奏に声をかける。

「お客さんですよ。この方、○×商事の営業の山田さん」

ふと目が合う奏と山田 太郎。

「『はじめまして』」

「は、『はじめまして~』…」

二人は噴き出しそうになるのを堪えながら、名刺を交換するのだった。