「あ…がっ…!」

気道が圧迫される。

首の骨が軋む。

人間であった頃からは考えられないほどの異常なまでの握力。

鍛え込んだ鬼島の太い首でさえ、簡単に握り潰されそうなほどの力だった。

意識が遠くなる。

呼吸が出来ない。

更には…「!」

榛原の腕を這いずって、数匹の寄生虫が鬼島に近づいてくるのが見えた。

あれに寄生されたら終わりだ。

鬼島もまた、榛原と同じ無惨な結末を辿る事になる。

(それだけは…避けねば…!)

榛原の腹に何度も何度も蹴りを叩き込み、何とか振り解こうとする鬼島。

しかし榛原はなかなか手を放そうとしない!