鬼島が操縦席に、他の仲間達は後部のスペースに乗り込む。

「いいぞ…以前教わったのと同じヘリだ」

手際よくヘリを作動させる鬼島。

CH-47 チヌークはゆっくりと格納庫から駐機場へと出て行く。

スイッチを入れると、前後一つずつある大きなメインローターが回転し始めた。

これで離陸準備が整った。

「脱出できるんですねっ?」

理子が笑顔を浮かべる。

「……」

命懸けで榑市に乗り込んで、危険を冒した甲斐があった。

山田から受け取った改良型寄生虫の入った箱を抱え、颯太も小さく溜息をつく。

「さっさと脱出しましょう。もうゾンビの顔は見飽きたわ」

純の言葉に皆が頷く。

「ああ」

鬼島が操縦桿を握った。