「あの…深幸さん?」

今度は純が口を挟んだ。

「彼女を叱らないであげて?反政府組織なんて危険なものに無理を言って誘ったのは、私達なの。どうしても美原市を生き延びた理子ちゃんの経験を生かして欲しかったから…」

「私からもお願いします。許してあげて下さい」

抑揚のない声で夕映が。

「私もお願いします」

両手を合わせて奏も言う。

…釈然としない表情の深幸だったが。

「全く…いい仲間なんだか悪い仲間なんだかわからないわね」

両手を腰に当て、小さく溜息をつく。

そんな仕草さえ、美人の深幸は様になった。

「いいわ。そもそもこんな場所でお説教して長居したくもないしね」

「深幸さん!じゃあ…!」

理子の表情がパァッと晴れ渡る。

「無事に脱出できたら覚悟しときなさいよね、もうっ」

深幸は苦笑いした。