深幸が理子の叔母である事を聞かされた颯太は、不思議な縁を感じずにはいられなかった。

「数時間振りね、新聞屋さん」

相変わらずの魅力的な笑みを浮かべる深幸。

そして。

「理子ぉ…」

理子に対しては、思わずビクリとしてしまうようなキツイ眼差しを向ける。

「ろくに私の電話にも出ないと思ったら、こんな戦争ごっこしていたとはねぇ…?」

「お、お言葉ですが深幸さん」

山田が理子を弁護する。

「理子ちゃんは決して戦争ごっこをしていた訳ではなくですね、ゾンビ災害で被害を受けた人達の…」

「あなたは黙っててくれるかしら?」

「ひ、ひぃっ、すみません~っ…」

深幸の鋭い視線に、山田も形無しだ。

「ご、ごめんなさい、深幸さん…」

どう弁解しても、深幸に心配をかけた事には変わりない。

言い訳のしようもなく、理子は潔く頭を下げる。