予想外の理子の行動。

颯太は唖然とする。

「何やってんだ!早くそれ持って逃げろ!」

怒鳴る颯太に。

「そんな事できる訳ないでしょう!」

逆に理子は怒鳴り返した!

「九重さん家の人は、どうして私の目の前で死にたがるんですかっ!そうでなくても華鈴の事でトラウマになってるのにっ!」

額に汗を浮かべながら、理子は必死に颯太の体を引っ張る。

「死なせませんよ!絶対に死なせません!政府は颯太さんが自分でぶっ飛ばして下さい!大スクープをものにするんでしょっ?」

「……」

理子の必死な姿を見ながら、颯太は思わず溜息をついた。

「できた娘だぜ…俺の嫁になるか?」

彼の言葉に理子は苦笑いした。

「遠慮しときます。お兄さんを盗られたって華鈴に怒られちゃいますから」