(そうか…)

理子は颯太から託された箱を、胸にギュッと抱き締める。

(颯太さん…これを私に託して死ぬつもりなのね…)

やはり兄妹だ。

極限状態に陥った時に同じ行動をとる颯太と華鈴を想い、理子は瞳にジワリと涙を浮かべた。

「わかりました、颯太さん…これは確かに預かります」

「ああ」

何の迷いも躊躇いもなく、笑顔を浮かべる颯太。

あの時の華鈴と同じ、鮮やかなまでの笑顔だった。

「行け!俺の代わりに政府の連中ぶっ飛ばしてやってくれ!」

「はいっ!」

颯太の言葉で理子は走り出した!

走り出して。

「!?」

颯太の腕を掴み、ハンヴィーに引き摺り寄せようとする!