地面に這い蹲る颯太。

左足が燃えるように熱い。

銃で撃たれると、痛みよりも熱さを感じると聞いた事があるが、本当なんだな…。

覚悟を決めたのか、妙に冷静にそんな事を考えていると。

「颯太さんっ!」

自分の名を呼ぶ声。

条件反射で顔を上げる。

駆け寄ってきたのは、顔見知りの少女だった。

「理子ちゃんっ?」

何故彼女がここに?

そうか…例の反政府組織か…!

本来なら助けが来たと喜ぶべき所。

しかし今はまずい。

颯太の背後には、まだ銃を構えた榛原がいるのだ。

「近づくな理子ちゃん!」

叫ぶ颯太。

同時に彼は這い蹲ったまま、改良型寄生虫が厳重に密閉された箱を、彼女に投げ渡す!