しばらく沈黙した末、鬼島がハッと思い至ったように顔を上げた。

「在日米軍基地か」

「ご名答です」

奏が頷く。

成程、確かにあそこなら軍事基地なのだから、大型の輸送ヘリもあるだろう。

「ハンヴィーで強行突破してもいいんですけど、生憎とあの車は6人乗りで…より多くの生存者を脱出させるには、大型の旅客機やヘリが必要なんです…でも私達のメンバーにヘリや飛行機を操縦できる人はいなくて…」

「最悪、機械に強い夕映ちゃんにお願いするしかないかなと思っていたんです~」

理子と山田が口々に言う。

…夕映の顔をチラリと見る鬼島。

「……何か」

じと目で夕映が睨み返す。

彼女にヘリを操縦させるのも酷な話だ。

鬼島が合流できたのは、純達にとっても幸運だったという訳だ。