「ゴロウ…止せ!退け!」

指示を出す鬼島。

しかしゴロウは退かない。

退けばこの場にいるゾンビの群れが、一斉に鬼島一人に襲い掛かるだろう。

全ては主人を想っての行動。

ゾンビ達の攻撃を一身に引きつけ、ゴロウは必死に走り続ける!

(何とか…何とかしなければ…!)

弾薬はない、セカンドアーム(拳銃などの予備の銃火器)も持っていない。

だがゴロウを見殺しには出来ない。

かくなる上は、素手でゾンビ達に突撃するか…!

弾切れした自動小銃を投げ捨て、覚悟を決めた鬼島は拳を握り締める。

その時だった。