ゴロウと鬼島のコンビネーションは抜群だった。

言うなれば『人犬一体』。

鬼島の射撃の妨げになる事なく、またゴロウを銃撃の危険に晒す事なく。

お互いに行動のとりやすさを考慮しながらの攻撃。

言葉は通じずとも、しっかりとした意志の疎通がかわされているのは明らかだった。

パートナーとしての信頼関係が、種族を超越したこのコンビネーションを実現していた。

だが、それもここまで。

「!」

鬼島の手にする自動小銃から、弾丸が発射されなくなる。

「弾切れかっ…!」

咄嗟に予備のマガジン(弾倉)を探るものの、それすらも既に使い切っていた。

完全に弾薬は底をついていた。

「くっ…!」

歯噛みする鬼島。

追い詰められつつあるものの、ゴロウは今も懸命にゾンビ達の意識を引いている。

鬼島の援護射撃を待っている!