「武志!はよ起きや終わったで!!」
「もう授業終わったの?」
「せや!昼ご飯買いに行くで」
「うん..わかった..」
さすがに週5日のバイトの疲れで学科の授業は眠くなる。
中学、高校と京都の学校に行き今は大阪で犬の美容士の専門学校に通っている。
いわゆるトリマーと言うやつである。

 中学の時転校してきた僕にづかづかと話しかけてきた裕也。
社交的じゃない僕の唯一の友達である。
裕也とは中学高校と一緒で僕が将来の道に悩んでいるときに自分のことのように一緒に考えてくれた親友である。
 「武志は大人しいし社交的やないけど、ホンマ気持ち悪いほど優しいやん!めっちゃ動物に好かれるし、動物関係の専門学校とかどうなん?」
てな具合に僕の良いところや悪いところをズバズバと言ってくいれる。
おかげで僕はトリマーになりたいと言う夢ができた。
裕也にはすごく感謝している。
ただ、なんで裕也も同じ専門学校にいるのかは意味が分からない.....
この専門学校生活の2年間また裕也と一緒にいれる事は嬉しい限りだ。
「何してんねん、コンビニの弁当売りきれんで!」
苦笑いになり駆け足でコンビニへ向かった。
「武志がどんくさいから売り切れてるやんか!」
「...ごめんよ」
僕はふざけながら謝った。
しかたなくお互いおにぎりを3つ買い学校近くの公園で昼ごはんにした。
「もうこの学校入って3ヶ月になるけど、ホンマに女の子多いよなぁ」
「そりゃクラスの半分以上が女の子だからね」
「武志かわいい子おった?」
「そんな感じで見た事ないよ!!」
「何慌てとんねん」
「......」
「はぁ、武志は女の子の話したらすぐこれやもんな」