「てなわけで、あたしゃぁこの二年前の事故の真相を調べてるんですぁ。探偵ボウズには雪女伝説なんて嘘ついちまったけどな」



「でもその話しのどこに達也さんが関わってるんです?」



「それが大有りでしてね、生存者は一人は謎の死を遂げた………ということは残りの二人は今もいきてるんですぁ」



「達也…さんですか?」菅野が言い終えるのを待たずに言った
「さすが探偵さん、話しが早いですぁ。達也ってのともう一人、昨日亡くなった真由美って子ですぁ」




!!!



「ってことは順番でいくと……」



「そうですぁ、あの達也って人。まぁ法則的には死ぬのは来年ってとこでしょうかぁ」




その2年前の事故?に何かしら今回の殺人が関わっていることは間違いないだろう



でも何故殺害までにいたるんだ?



「こりゃあ、あたしの勘なんですがね、おそらく助かった3人が仲間を見捨てたとかだと思うんですぁ」



ふぅ〜とタバコの煙りをはき出す



「どうしてそう思うんです?」



「この件に関してわ、色々あたしなりに調べたんですぁ。そしたらこんな事をその友達に聞いたんすぁ。その友達によるとサークルで雪山山頂からの眺めを見に行く、だからリュックには食料やらなんやら色々必需品が入っていた。そして」




「なぜか発見されたバックは空だった……と」すかさず俺は言った



「ぇえ、そりゃ日にちが経ったから必需品のみ残したかも知れない。けどもう一点、ウェアだけが見つかったってのも不思議すぎるんですぁ」
確かに……吹雪のなかウェアーを脱ぐなんて自殺行為だ


「世間では雪女にやられたやらなんとか言われてたんですわぁ」


短くなったタバコを灰皿に投げ捨てながら言った



「ですがぁ〜〜あたしゃあ、生き残った3人がきっと何か知ってると思い、そのうち一人を調査してたんですがぁ……」



菅野の顔色が急にくぐもった



「あの不自然な事故死でぇ死んでしまったというわけですぁ」
「どんな事故だったんですか?」



「実際現場にいたわけでわないんですぁ〜。聞いた所にはビルの屋上からの飛び降り。靴も揃えられていて、はたから見ても自殺。ですがぁ、その遺体の周りに以上に氷や雪がちりばめられてたんですぁ。まぁ〜〜警察はただのイタズラって解釈してたみたいなんですがね」
今回の殺人と同じ死に方ってことか……


「何故そんなにこの事件に執着してるんです?」



「まぁ〜記者としての性(さが)ってことにしといてくだせぇ〜、探偵さん。あたしにもプライバシーってもんがあるもんでぇ」



ふと立ち上がる
「どっどこに行くんですっ」


俺が慌てて呼び止める。さすがにまた皆が散らばるのは危険すぎるから




「トイレですぁ、トイレ。すぐ戻りますぁ、死ぬのはゴメンなもんで……」


そういってトイレに駆け込んでいった
「そういえばに皆さんは2年前の事件をご存じだったんですか?」


しばらくの沈黙の後、元樹が口を開いた



「あぁ、知ってた。このサークルで亡くなった人がいるってことは。でも僕たちには何も関係ないし、達也さんがその助かった内の一人なんて初耳だよ。なぁ拓?」



促すように拓を見た



「そうだよ。だから今回の殺人だってこの中に犯人がいるなんて考えられないよ。接点なんてないんだし……」