……が!!奇跡と言わんばかりにその内の3人を山の真ん中辺りで発見することができた



それも、物凄く元気な姿でね



多少、痩せたかなくらいの印象は受けたがそれにしても元気だった



けど……残りの3人の事を聞くと顔を俯かせてしまったらしい




話しによると、この吹雪ではぐれてしまい気付くとこの3人だったと言っていたそうだ
更に捜索は続いたが結局、いまだに発見出来ていないらしい



何故か不可解なことに、三人のウェアとからっぽのバックだけが見つかった




みんなは雪崩に流されたんだと思っていた……




だが………真相は違っていたのだと感じた
助かった3人は奇跡の生存者として世間の注目を浴びた



雑誌で大きく取り上げられ、テレビにもでた




けどその3人には疑問があまりにも多すぎた




食べ物をどうしていたのか?あの寒さをどう乗り越えたのか?何故はぐれたのか?





どうしてかその三つの質問には頑(かたく)なに喋らなかった
疑問が残ったが、次第に世間はそのニュースを忘れ平穏な日々が戻っていた



けど1年前の同じ日、今でいう昨日助かった3人の内の1人が謎の死を遂げた



警察は事故死と処理



ホントに不可解な死だった』
「てなわけで、あたしゃぁこの二年前の事故の真相を調べてるんですぁ。探偵ボウズには雪女伝説なんて嘘ついちまったけどな」



「でもその話しのどこに達也さんが関わってるんです?」



「それが大有りでしてね、生存者は一人は謎の死を遂げた………ということは残りの二人は今もいきてるんですぁ」



「達也…さんですか?」菅野が言い終えるのを待たずに言った
「さすが探偵さん、話しが早いですぁ。達也ってのともう一人、昨日亡くなった真由美って子ですぁ」




!!!



「ってことは順番でいくと……」



「そうですぁ、あの達也って人。まぁ法則的には死ぬのは来年ってとこでしょうかぁ」




その2年前の事故?に何かしら今回の殺人が関わっていることは間違いないだろう



でも何故殺害までにいたるんだ?



「こりゃあ、あたしの勘なんですがね、おそらく助かった3人が仲間を見捨てたとかだと思うんですぁ」



ふぅ〜とタバコの煙りをはき出す



「どうしてそう思うんです?」



「この件に関してわ、色々あたしなりに調べたんですぁ。そしたらこんな事をその友達に聞いたんすぁ。その友達によるとサークルで雪山山頂からの眺めを見に行く、だからリュックには食料やらなんやら色々必需品が入っていた。そして」




「なぜか発見されたバックは空だった……と」すかさず俺は言った



「ぇえ、そりゃ日にちが経ったから必需品のみ残したかも知れない。けどもう一点、ウェアだけが見つかったってのも不思議すぎるんですぁ」
確かに……吹雪のなかウェアーを脱ぐなんて自殺行為だ


「世間では雪女にやられたやらなんとか言われてたんですわぁ」


短くなったタバコを灰皿に投げ捨てながら言った



「ですがぁ〜〜あたしゃあ、生き残った3人がきっと何か知ってると思い、そのうち一人を調査してたんですがぁ……」



菅野の顔色が急にくぐもった



「あの不自然な事故死でぇ死んでしまったというわけですぁ」