力強く握りしめた拳(こぶし)をドアにたたき付ける



拳の皮膚がはがれ血が出た



雄叫びをあげてみるが虚しく部屋に響くだけだった……



「誰一人守る事出来ないじゃねーかよ…」



瞳から涙が溢れ出し、その場に崩れ落ちる



寒さも極限状態だ……


奈津も犯人に狙われてしまうかも知れないってのに指加えて黙ってるしかできねーのかよ……!





「奈津……奈津ーーー!!!!」



俺は何度も何度も…ただ虚しく愛しい人の名を呼んでいた……………………