奈津はポケットにあったハンカチを恵の傷口にあてた



数箇所にある傷は浅く、血はすぐに止まった



よくみると傷口はナイフのようなもので切られた感じだった



「ん……痛っ」



ゆっくりと恵が目を開けた、体の傷の痛みに顔を少し歪めたがどうやら大丈夫そうだ



「恵さん、いったい何があったんです?」



奈津がそう尋ねた矢先に元樹が言った