―再確認―


 私は毎日よっちゃんに恋してる。


 でも朝から再確認は、まばゆすぎるのよ。


「ねえ、よっちゃ……」


 天からの真っ白な使者は、挨拶もせず降り積もってゆく。


 鼻先や唇を凍らせてゆく。


 ぬくもりをわけた二つの呼吸が離れてゆく。


 簡易テントの中のランタンのオレンジ色の灯りを浴びて、揺らめく明暗の影におびえて、最初は怖かった。


 だって、降り始めのときは、風にちらつく程度で、まさか吹雪くとは思わなかったんだもん。


 いくらなんでも若いみそらで死ぬのは嫌よ。


 でも、そのとき私はよっちゃんと離れる方が嫌だったんだ。


「ねえ、十日待つよ」


「え?」


 よっちゃんは驚いたようなしぐさをしたけれど、私はとっくに決めていた。


 添い遂げるなら、この人、と。


「あの娘と別れて。誰だか、わかるよね」


 よっちゃんは気まずいのか、眉を寄せてうつむいた。


「ミーナ、だよ?」


「べつに付き合ってるわけじゃないし、そういう言い方はおかしい。オレたちはなにも……」


「ワルイコトしてない? 私に内緒で繁華街歩いて、ゲームセンター寄って、ミスドに入って、同じ教科書ガイド買って……あの娘ね、私に言ったんだよ」


『これって、デートなのかな』


「て……あの娘は可愛いよ? でも馬鹿。そんなこと私に聞かれたって、私とよっちゃんは付き合ってるんだから『そんなことないよ』って……私、ちゃんと言ってた。最初は……」