さっきも何もないと言ったのに……。





「じゃあ、蜜姫ちゃんに誤解を解けばいいじゃん。」





あんな目で見られ、無視されたのにどうやって誤解を解けばいいんだよ。





「もう、ダメかもしれない…。」


「ふーん、じゃあ新しい子みつければ?」





芹沢ってこんな奴だった?





いつも、フワッとしてて少し他人とずれていて別次元に住んでそうな奴なのにその芹沢に見放された。





「もう王子くんの好きにしなさいよ。」





少し怒ったように席を立った芹沢は、食堂を出て言ってしまった。




情けない―――大の男がウジウジ悩んで、女性にしかも好きな人の家族に相談してさ……。





新しい子みつければなんて、絶対無理に決まってるだろ。





蜜姫さんじゃなきゃダメなんだよ……だからこそ目を合わせてくれなくても、無視されても、彼氏がいても誤解を解かなきゃ。





意を決した俺は、椅子から立ち上がり部署に戻る。