薄暗い本部の上司の部屋。
目の前に座っているのは終始笑顔の男。
不審者すぎるくらい…
「先輩の相棒に抜擢されましたウルフっす!!」
「………へぇ」
「∑え!?それだけッスか!?」
「…………」
「興味なさそうッスね」
「うん」
「即答!」
黙りこくってしまった目の前の後輩とやら。
次の仕事相棒だそうだ。
やがてどうすればいいのか分からなくなった後輩はさらに黙りこみ、私も喋らない。
後輩は下を見て焦り、ガン見する私。
周りから見たら可哀想な状況だと思う。
でも、どうでもいい。
私自身、基本全てにおいて興味がわかない。
それでも組織に入ったのは、自分の住む場所だけは守りたいと思ったのがきっかけで入った感じ。
「あんまり苛めてやんなよ。早速後輩イビリかぁ?」
「……後輩が喋るの待ってやってるだけだ」
「∑俺のせいッスか!?」
後から来たくせになんか偉そうなアイツが上司。
上司と思ったことは一度もない。
「まぁまぁ。早速だが今回は日本へ行ってもらう」
「…今回はガセじゃないことを祈るよ」
「一言余計だ」
ヒラヒラと片手を振りながら上司の部屋を出た。