「僕は井原さんのこと、あんまり好きじゃなかったんだ」


「うん」


「強引だし、気が強いし、マンガの中の女の子とはだいぶ違ってた」


「だろうね」


「でも、井原さんのことを色々知っていく度に、可愛いなって、この子を守りたいなって、思うようになった。」


「うん」


「井原さんは僕に新しい世界を見せてくれたんだ。新しい感情を教えてくれた」


「そんなこと…」


「あるよ。だから今回のことは井原さんを守ろうと思って」


「………桃山くん……」


「ん?」


「そんなこと言って私がありがとうなんて言うと思った?」


「えええー!!まだ怒ってるの!?」


「勝手にひとりで完結してんじゃないわよばか!」


ばかってひどい!ばかって!!