あの日のデート以来、
僕は井原さんのことを
あまり苦手なタイプだと思わない様になった。
井原さんは今まで
ぎゃあぎゃあうるさいタイプだと思っていたけど、
ゆーえんちでの一件で井原さんの意外な女の子らしさを見て、イメージが変わったからだと思う。
「桃山くん一緒に弁当食べよ!!」
今日も井原さんは
僕に話しかけてくる。
僕はいつしか、井原さんに話しかけられることが、嬉しくなっていた。
そんな中。
僕は耳を疑うような噂を聞いた。
それは、
僕と井原さんが
付き合っているという噂。
何故かふたりでゆーえんちに行ったことも知られている。
僕は焦った。
井原さんはクラスの中でもかなり可愛いタイプの女の子だ。
それにとりわけ僕は陰キャラ。
いつも少女マンガを読んでる様な変なやつ。
改めて僕は気づいた。
僕と井原さんは、
関わるべきじゃない。
僕と井原さんは、
全くお似合いなんかじゃない。
僕と井原さんは、
一緒にいちゃいけない。
井原さんはいつだって、
人気者じゃなくちゃ
いけないんだ。