「…あ、何でもないや。」
俺……今、何言おうとしてた?
ふと我に返って焦った。
思わず「好き」って言いそうになってた。
もし言ってたらどうなってたんだろう。
「何〜言ってよぉ!」
と腕をポンと叩かれた。
俺はその手を掴んでた。
「え?ちょっ、タカヤ?」
困惑しながらも顔を赤らめるハル。
そういうところも
可愛い…。
ちょっと、やばいんだけど。
シーンとした廊下。
顔を赤らめているハルが目の前にいて
しばらく目が合う。
時が止まったような錯覚に陥るけど、心臓がドクドクなってるのがわかる。
この雰囲気に飲まれそう。
掴んでいる手が少し震えてる。
「ハル…」
「…はい。」