ありのまま、あたしを、恵里を見てくれてた。
それが堪らなく嬉しくて、本当に幸せだと感じている。


「行くか」


スッと手を差し出されてあたしは躊躇うことなくその手をとる。


二人、顔を見合わせて歩き出した。


「今日は何コマまで?」

「四、二コマから」

「え?!また?」

「いいだろ」

「む……じゃあ二コマから行けばいいじゃない」

「あ?一緒に居たくないって?」

「…………違うけど」


頬を膨らませれば、空いている手で潰された。プシューと空気の出る音に蒼馬は笑う。


(む……ムカつく……)


こっちの気も知らないで、と思う。


元からモテていたが、大学生になってそれに拍車をかけるように更にモテる。
1日、何回告白されているのか分からない。